赤伝票の「納品明細」レコードが作成される条件やパターンなどについて説明します。
赤伝票の作成は、一般的な会計業務と同様、黒伝票の消し込みが目的です。
システムによって自動で作成されます。
ソアスクでは、契約変更のライセンス洗替(以下「洗替」)および契約解約(以下「解約」)が対象です。
参照:契約変更およびライセンス洗替については、次の記事を参照してください。
契約変更(LWC)「契約変更の流れとオブジェクト構成図(LWC)」以降
契約変更(VF)「契約変更の流れとオブジェクト構成図(VF)」以降
参照:契約解約については、次の記事を参照してください。
契約解約(満期解約)「商談から解約予定情報を登録する(満期解約)」以降
契約解約(期中解約)「請求締めからの流れ(期中解約)」以降
■ 赤伝票の「納品明細」レコードが作成される条件
- 「請求済」「売上締め済」「債権管理連携済」「会計システム連携済」のいずれかにチェックが付いている「納品明細」レコードに対して洗替または解約を行った場合は、当該レコードの一部または全部を消し込むための「納品明細」レコードが作成されます。
- 上記以外では、「納品明細」の売上対象期間中に洗替または解約を行った場合も同様です。
具体的には、次の条件をすべて満たす場合が対象となります。
・月中で「納品」レコードが分割されていない
・「売上サイクル」が「毎月」「毎年」のいずれか
・「売上対象期間開始」 ≦ ライセンス終了日※<「売上対象期間終了」
※洗替の場合:ライセンス終了日=洗替のために作成した「見積条件」の「適用開始日」前日
解約の場合:ライセンス終了日=解約のために作成した「見積条件」の「解約日」当日
Point(1) - ソアスクのみ利用している場合は、「債権管理連携済」「会計システム連携済」は使用しません。
そのため、最初の条件は「請求済」「売上締め済」のいずれかにチェックが付いているかで判断されます。
- 条件を満たしていない「納品明細」レコードは消し込み対象外となり、洗替または解約で削除されます。
- ソアスクのみ利用している場合は、「債権管理連携済」「会計システム連携済」は使用しません。
■ 赤伝票の「納品明細」レコードが作成される期間
- 洗替の場合:洗替のために作成した「見積条件」の「適用開始日」当日~「売上対象期間終了」の期間
- 解約の場合:解約のために作成した「見積条件」の「解約日」翌日~「売上対象期間終了」の期間
以降では、「納品明細」レコードがどのように処理されるのか、解約時を例にパターンごとに分けて説明します。
■ 通常パターン
次の条件をすべて満たす場合が対象です。
- 「設定マスタ」(自社会計情報)の「請求締日と売上計上日で売上を分割する」にチェックが付いていない
参照:「設定マスタ」(自社会計情報)については、「ソアスク ユーザガイド」を参照してください。
- 「見積条件」の「解約日」=「納品明細」レコードの「売上対象期間終了」当日
洗替時は、「見積条件」の「適用開始日」=「納品明細」レコードの「売上対象期間終了」翌日です。
- 「納品明細」レコードの「金額種別」が「月額」になっている
- 「納品明細」レコードの「金額種別」が「年額」または「期間額」の場合は、「単価」が利用月数で割り切れる
- ここでは例として、3ヶ月間の月額契約で2ヶ月分が「請求済」の「納品明細」レコードが作成されているとします。
本ガイド用に作成したレポートです。サンプルのレポートには含まれていません。
参照:レポートおよびダッシュボードの利用については、次のSalesforce社ドキュメントを参照してください。
Lightning Experience のレポートおよびダッシュボード
- 「解約日」=6月の「売上対象期間終了」当日(2021/06/30)を指定し、解約を行います。
解約後は次のように、マイナス金額の「納品明細」レコード(赤枠)が作成されます。
Point(2) - 消し込みのために作成されたレコード(赤枠)の「取消納品フラグ」にチェックが付きます。
消し込みが行われたレコード(緑枠)の「取消納品明細」に、上記レコードの「納品明細番号」が設定されます。
- 8月分のレコードは「請求済」ではなかったため(削除可能であったため)、削除されています。
- 消し込みのために作成されたレコード(赤枠)の「取消納品フラグ」にチェックが付きます。
■ 日割り計算パターン
次の条件をすべて満たす場合が対象です。
- 「設定マスタ」(自社会計情報)の「日割り時の金額計算方式」が「日割り」またはブランクになっている
「半額」を設定した場合は、「日割り対象日数」に関わらず、月額の半額分の消し込みが行われます。
- 「設定マスタ」(自社会計情報)の「日割り時に日数を固定する」にチェックが付いていない
日割り計算に使用する分母は、カレンダーどおりの日数となります。
- 「設定マスタ」(自社会計情報)の「請求締日と売上計上日で売上を分割する」にチェックが付いていない
通常パターンと同じ条件です。
-
「見積条件」の「解約日」<「納品明細」レコードの「売上対象期間終了」当日
洗替時は、「見積条件」の「適用開始日」<「納品明細」レコードの「売上対象期間終了」翌日です。
- 「納品明細」レコードの「日割り対象」にチェックが付いている
- 「納品明細」レコードの「金額種別」が「月額」になっている
「金額種別」が「年額」「期間額」の場合は、日割り計算の対象外となります。
「納品明細」の日割り計算は、「見積明細」の日割り計算と同様に行われます。
参照:「見積明細」の日割り計算については、次の記事を参照してください。
補足:見積明細の日割り計算について「日割り計算に使用するオブジェクトと項目」以降
- ここでは例として、3ヶ月間の月額契約で2ヶ月分が「請求済」の「納品明細」レコードが作成されているとします。
- 「解約日」< 6月の「売上対象期間終了」当日(2021/06/30)を指定し、解約を行います。
ここでは例として、「解約日」を2021/06/20とします。解約後の「納品明細」レコードは、次のようになります。
Point(3) - 本来2021/06/30まで有効であった契約を途中で解約し、2021/06/20までのライセンスとしたため、残り10日分を消し込むためのマイナス金額のレコードが作成されています。
- 請求済になっていた7月分は、全額が消し込み対象として、マイナス金額のレコードが作成されています。
- 消し込みのために作成されたレコード(赤枠)の「取消納品フラグ」にチェックが付きます。
消し込みが行われたレコード(緑枠)の「取消納品明細」に、上記レコードの「納品明細番号」が設定されます。
- 8月分のレコードは「請求済」ではなかったため(削除可能であったため)、削除されています。
- 本来2021/06/30まで有効であった契約を途中で解約し、2021/06/20までのライセンスとしたため、残り10日分を消し込むためのマイナス金額のレコードが作成されています。
■ 金額に端数が出るパターン
次の条件をすべて満たす場合が対象です。
- 「設定マスタ」(自社会計情報)の「請求締日と売上計上日で売上を分割する」にチェックが付いていない
通常パターンと同じ条件です。
- 「見積条件」の「解約日」=「納品明細」レコードの「売上対象期間終了」当日
ライセンス洗替時は、「見積条件」の「適用開始日」=「納品明細」レコードの「売上対象期間終了」翌日です。
通常パターンと同じ条件です。
- 「納品明細」レコードの「金額種別」が「年額」または「期間額」で「単価」が利用月数で割り切れない
- 「納品明細」レコードの「売上サイクル」「請求サイクル」が「毎月」になっている
- ここでは例として、1年間の年額契約で8ヶ月分が「請求済」の「納品明細」レコードが作成されているとします。
- 「解約日」=6月の「売上対象期間終了」当日(2021/06/30)を指定し、解約を行います。
解約後の「納品明細」レコードは、次のようになります。
Point(4) - 請求済になっていた7~8月分は、全額が消し込み対象としてマイナス金額のレコードが作成されています。
- 消し込みのために作成されたレコード(赤枠)の「取消納品フラグ」にチェックが付きます。
消し込みが行われたレコード(緑枠)の「取消納品明細」に、上記レコードの「納品明細番号」が設定されます。
- 9~12月分のレコードは「請求済」ではなかったため(削除可能であったため)、削除されています。
- 「売上対象期間終了」=「2021/12/31」に、ずれ調整用のレコード(青枠)が作成されています。
「解約日」=2021/06/30のため、1~6月の請求分は有効です。
7~8月の請求分は消し込みが行われ無効となり、9~12月分は削除されています。
年額=¥800,000なので、有効な半年分の請求金額は、¥400,000となります。
ただし、年額を12ヶ月に分割する際に余りの端数が初回の金額に加算されているため、「納品明細」レコード上の合計金額は ¥66,674+¥66,666×5=¥400,004となり、上記の請求金額とずれが生じます。
この問題を解消するため、ずれ調整用のマイナス金額のレコード(- ¥4)が最後に作成されています。
- 請求済になっていた7~8月分は、全額が消し込み対象としてマイナス金額のレコードが作成されています。
■ 売上を月中で分割するパターン ※日割り計算が適用されないパターン
次の条件をすべて満たす場合が対象です。
- 「設定マスタ」(自社会計情報)の「組織売上計上日にち」が「末日」になっている
「見積条件」の「初回売上計上日」の日にちに反映されます。
- 「設定マスタ」(自社会計情報)の「請求締日と売上計上日で売上を分割する」にチェックが付いている
請求締日<売上計上日の場合は、請求締日までの「納品明細」レコードと、翌日から売上計上日までの「納品明細」レコードが分割された形で作成されます。
- 「見積条件」の「請求締日にち」が「15」になっている
「請求締日にち」<「初回売上計上日」の日にち、になっていることが条件なので、それぞれの日にちは任意です。
- 「見積条件」の「解約日」<「納品明細」レコードの「売上対象期間終了」当日
ライセンス洗替時は、「見積条件」の「適用開始日」<「納品明細」レコードの「売上対象期間終了」翌日です。
日割り計算パターンと同じ条件です。
- 「納品明細」レコードの「日割り対象」にチェックが付いている
日割り計算パターンと同じ条件です。
- 「納品明細」レコードの「金額種別」が「月額」になっている
日割り計算パターンと同じ条件です。
- ここでは例として、3ヶ月間の月額契約で2ヶ月分が「請求済」の「納品明細」レコードが作成されているとします。
売上を月中で2つに分割しているため、「合計レコード数」「合計 請求済」ともに2倍の数になっています。
- 「解約日」< 6月の「売上対象期間終了」当日(2021/06/30)を指定し、解約を行います。
ここでは例として、「解約日」を2021/06/20とします。解約後の「納品明細」レコードは、次のようになります。
Point(5) - 前述の日割り計算パターンでは解約後の残り10日分を消し込むため、マイナス金額のレコードが作成されていましたが、売上を月中で分割するパターンでは日割り計算を行わない仕様となっているため、マイナス金額のレコードも作成されません。
- 請求済になっていた7月分は、全額が消し込み対象として、マイナス金額のレコードが作成されています。
消し込み対象の「納品明細」レコードに合わせ、マイナス金額のレコードも2つに分割されています。
- 消し込みのために作成されたレコード(赤枠)の「取消納品フラグ」にチェックが付きます。
消し込みが行われたレコード(緑枠)の「取消納品明細」に、上記レコードの「納品明細番号」が設定されます。
- 8月分のレコードは「請求済」ではなかったため(削除可能であったため)、削除されています。
- 前述の日割り計算パターンでは解約後の残り10日分を消し込むため、マイナス金額のレコードが作成されていましたが、売上を月中で分割するパターンでは日割り計算を行わない仕様となっているため、マイナス金額のレコードも作成されません。
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